ベトナムの人気お菓子緑豆TOP10!おすすめ商品を紹介
ベトナム旅行のお土産や、現地のスーパーマーケットでのお買い物で、緑色の豆が描かれたパッケージをよく見かけることはないでしょうか。
それはベトナムのお菓子作りには欠かせない「緑豆(ムング豆)」を使った商品です。
日本ではあまり馴染みのない緑豆のお菓子ですが、一度食べるとその素朴で優しい甘さの虜になる人が続出しています。
本記事では、ベトナムで愛されている緑豆お菓子の人気ランキングTOP10と、その魅力について詳しく解説します。
ベトナムお菓子と「緑豆(ムング豆)」の関係とは?
ベトナムの伝統的なお菓子文化を語る上で、緑豆(ベトナム語でđậu xanh/ダウサイン)は絶対に外せない存在です。
日本のお菓子において小豆が「あんこ」として多用されるように、ベトナムではこの緑豆を蒸して砂糖と混ぜ、ペースト状にした「緑豆あん」がフィリングや生地の主役として活躍しています。
小豆の赤茶色いあんことは異なり、鮮やかな黄色をした緑豆あんは、見た目にも美しく食欲をそそります。
緑豆の特徴は、小豆よりもクセが少なく、ホクホクとした食感と控えめな甘さがあることです。
この素朴な味わいが、米粉やタピオカ粉、ココナッツミルクなどを使うベトナムのお菓子と非常に相性が良く、絶妙なハーモニーを生み出しています。
日本人にとっては「白あん」や「うぐいすあん」に近い感覚で、親しみやすい味わいと言えるでしょう。
緑豆お菓子が好まれる理由
緑豆のお菓子がこれほどまでにベトナムで愛されている理由の一つは、その食べやすさにあります。独特の香りや強いクセがないため、小さな子どもからお年寄りまで、世代を超えて好まれています。また、緑豆は植物性タンパク質や食物繊維、ビタミン類を豊富に含んでおり、古くから貴重な栄養源として重宝されてきました。さらに、緑豆の黄色は縁起が良い色とされ、旧正月(テト)や結婚式、中秋節といったハレの日の行事やお祝いの席には、緑豆を使ったお菓子が必ずと言っていいほど登場します。
ベトナムの人気お菓子 緑豆 第1位:Bánh đậu xanh(バインダウサイン)/緑豆ケーキ
堂々の第1位は、ベトナム北部ハイズオン省の名物として知られる「バインダウサイン」です。
これは緑豆の粉に砂糖と植物油(またはラード)を混ぜて固めた、四角いキューブ状のお菓子です。
最大の特徴はその食感で、口に入れた瞬間にホロホロと崩れ、サラサラと溶けていくような独特の口当たりを楽しめます。
シンプルながらも緑豆の香ばしさと上品な甘さが広がり、一度食べ始めると止まらなくなる美味しさです。
個包装されたものが箱に入って売られていることが多く、ベトナム土産の定番中の定番として不動の人気を誇っています。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第2位:Bánh pía(バインピア)/緑豆&卵黄の月餅風パイ
第2位は、南部ソクチャン地方発祥の「バインピア」です。
薄いパイ生地が何層にも重なった皮の中に、ねっとりとした緑豆あんと、塩漬けにしたアヒルの卵黄が入っているのが特徴です。
濃厚な緑豆の甘さと、卵黄の塩気が絶妙な「甘じょっぱさ」を生み出し、非常に食べ応えがあります。
本来はドリアンを練り込んだものが主流ですが、ドリアンの香りが苦手な人向けに緑豆オンリーのものや、タロイモ風味などバリエーションも豊富に展開されています。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第3位:Bánh trung thu nhân đậu xanh(緑豆月餅)
第3位は、中秋節に欠かせない「緑豆月餅」です。
ベトナムの月餅には様々な種類のあんがありますが、緑豆あんは最もベーシックで人気のあるフレーバーの一つです。
こんがりと焼かれた皮の中にぎっしりと緑豆あんが詰まった焼き月餅タイプと、餅粉で作られた柔らかい皮の雪月餅(スノースキン)タイプがあります。
日本の中華街などで見かける月餅にも似ており、日本人にとっても馴染み深く、お茶請けとして最適なお菓子です。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第4位:Chè đậu xanh(チェーダウサイン)/緑豆のベトナムぜんざい
第4位は、ベトナムの代表的なデザート「チェー」の緑豆バージョンです。
皮をむいた緑豆を砂糖で甘く煮込み、とろみをつけたもので、温かいままでも美味しいですが、氷とココナッツミルクを加えて冷たくして食べるのが一般的です。
日本のぜんざいに似ていますが、よりサラッとしていて飲み物に近い感覚で楽しめます。
スーパーでは缶詰やレトルトパウチ、お湯を注ぐだけのインスタントチェーも販売されており、暑い日のクールダウンにぴったりです。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第5位:Bánh cam/Bánh rán đậu xanh(緑豆あん入り揚げ団子)
第5位は、もち米粉で作った生地で緑豆あんを包み、油で揚げたお菓子です。
南部では「バインカム」、北部では「バインザン」と呼ばれます。
外側には白ごまがまぶしてあったり、砂糖蜜がコーティングされていたりします。
見た目も味も日本の中華街にある「ごま団子」によく似ており、外はカリッと、中はモチモチ、そして中心にはホクホクの緑豆あんという食感のコントラストが魅力です。
屋台スイーツの定番ですが、最近では冷凍食品としても販売されています。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第6位:Bánh ít nhân đậu xanh(バインチット)/緑豆入り餅菓子
第6位は、バナナの葉などで包んで蒸し上げられた伝統的な餅菓子「バインチット」です。
もち米粉の生地の中に甘い緑豆あんが入っており、蒸すことでバナナの葉の香りがお餅に移り、独特の風味を醸し出します。
地域によって円錐形や三角形など形が異なりますが、もちもちとした弾力のある食感は共通しています。
旧正月や法事など、親族が集まる特別な場で振る舞われることが多く、ベトナムの伝統を感じられる一品です。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第7位:Bánh tro nhân đậu xanh(灰汁餅+緑豆あん)
第7位は、透き通った琥珀色が美しい「バイントロ」です。
これは竹などの植物を燃やした灰からとったアルカリ水(灰汁)にもち米を浸してから作るため、独特の風味とプルンとしたゼリーのような食感が生まれます。
中には滑らかな緑豆あんが入っており、さっぱりとした味わいです。
主に北部の端午の節句(Tết Đoan Ngọ)に食べられる季節のお菓子で、砂糖や蜜をつけて食べることもあります。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第8位:Bánh ít trần/Bánh nậm nhân đậu xanh
第8位は、食事代わりにもなる軽食系の緑豆お菓子です。
「バインイットチャン」や「バインナム」と呼ばれるこれらの料理は、米粉の生地で緑豆あんを包んで蒸したものです。
甘いお菓子タイプもありますが、緑豆あんに塩味をつけたり、炒めたネギやエビのでんぶをトッピングしたりする「甘じょっぱい」タイプも人気があります。
朝ごはんやおやつとして日常的に食べられており、優しい口当たりが特徴です。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第9位:Bánh cốm nhân đậu xanh(緑米餅+緑豆あん)
第9位は、ハノイ名物の「バインコム」です。若いもち米を煎ってつくる「コム(緑米)」を使った鮮やかな緑色の生地で、甘い緑豆あんを包んだ平たいお餅です。
コム特有の香ばしい香りと、ねっとりとした食感が楽しめます。
高級感があり、結婚式の引き出物や贈答品としても使われる格式高いお菓子です。
ハノイを訪れた際にはぜひ味わいたい、伝統の味です。
ベトナムの人気お菓子 緑豆第10位:緑豆クッキー・ビスケット系お菓子
第10位は、近年スーパーなどで増えている緑豆を使ったクッキーやビスケット類です。
緑豆パウダーを生地に練り込んだり、クリームとしてサンドしたりした現代風のスナック菓子です
。伝統的なお菓子に比べて日持ちが良く、個包装で配りやすいため、オフィスの休憩時間や子供のおやつとして人気を集めています。
サクサクとした軽い食感の中に、ほんのりと緑豆の風味が感じられます。
ベトナムの緑豆お菓子はどこで買える?(現地・日本)
これらのお菓子は、ベトナム現地はもちろん、日本国内でも購入することが可能です。
ベトナム現地での購入場所
ベトナム現地では、Co.opmart(コープマート)、Big C、VinMartといった大手スーパーマーケットのお菓子コーナーに行けば、バインダウサインやバインピアなどが山積みになっています。特にバラマキ土産を探すならスーパーが便利です。また、ローカル市場には駄菓子屋のような伝統菓子専門店があり、量り売りや出来たてのものを買うことができます。旧正月前になると、真っ赤な箱に入ったギフト用の緑豆お菓子が店頭に並び、華やかな雰囲気に包まれます。
日本で購入する方法
日本にいながら手に入れたい場合は、アジア食材店やベトナム食材店を覗いてみましょう。特にバインダウサイン(緑豆ケーキ)やバインピアは定番商品として置かれていることが多いです。また、業務スーパーや輸入食品店(カルディなど)のアジア食品コーナーにも、時期によっては入荷していることがあります。近くに店舗がない場合は、Amazonや楽天市場などのネット通販を利用するのが確実です。「緑豆ケーキ ベトナム」や「バインピア」で検索すれば、多くの種類を見つけることができます。
選び方のポイント
購入する際は、賞味期限と保存方法をよく確認しましょう。バインダウサインのような乾いたお菓子は常温で日持ちしますが、生菓子に近いバインピアや餅系の商品は賞味期限が短い場合があります。また、原材料をチェックし、緑豆の含有量が多いものを選ぶと、より素材の味を楽しめます。甘さ控えめが好みの場合は、現代風のスナックよりも伝統的な製法で作られたお菓子を選ぶのがおすすめです。
ベトナム緑豆お菓子の美味しい食べ方・アレンジ
そのまま食べても美味しい緑豆お菓子ですが、少しの工夫でさらに美味しく楽しむことができます。
コーヒー・お茶との相性
ベトナムの緑豆お菓子は、飲み物とのペアリングで真価を発揮します。特にコンデンスミルク入りの濃厚なベトナムコーヒー(カフェスア)との相性は抜群です。お菓子の甘さがコーヒーの苦味を引き立て、最高のティータイムになります。また、さっぱりと頂きたい場合は、温かい緑茶やジャスミンティーと合わせると、口の中の甘さが程よく中和され、上品な味わいになります。
冷やして・温めて楽しむ
温度を変えてみるのもおすすめです。バインダウサイン(緑豆ケーキ)は冷蔵庫で冷やすと、生地が引き締まり、ひんやりとした口溶けを楽しめます。逆に、バインピアや揚げ団子、餅系のお菓子は、トースターやレンジで軽く温め直すと、香りが立ち、出来たてのような柔らかさやカリッとした食感が戻ってきます。
日本のおやつとの“合わせ技”
日本ならではのアレンジとして、緑豆ケーキを崩してバニラアイスクリームにトッピングすると、ベトナム風の和洋折衷デザートになります。また、緑豆あんのようなペースト状のお菓子なら、バターを塗ったトーストに乗せて「緑豆あんトースト」にするのもおすすめです。名古屋の小倉トーストのような感覚で、朝食にもぴったりの美味しさです。
緑豆お菓子の栄養・カロリーと上手な付き合い方
美味しくて栄養もある緑豆お菓子ですが、食べる量には注意が必要です。
緑豆の栄養面
緑豆自体は、良質な植物性タンパク質や食物繊維、ビタミンB群を豊富に含むヘルシーな食材です。特にベトナムでは、体の熱を冷ます効果がある食材としても知られています。しかし、お菓子に加工される段階で、砂糖やラードなどの油脂が多く使われていることを忘れてはいけません。「豆だからヘルシー」と思って食べ過ぎてしまうのは禁物です。
カロリー・食べ過ぎへの注意
特に第1位のバインダウサインや第2位のバインピアは、ぎゅっと詰まっている分、見た目以上に高カロリーです。脂質と糖質が高めなので、ダイエット中の方は注意が必要です。「1日1〜2個まで」と決めたり、誰かとシェアしたりして、適量を美味しく楽しむのが長く付き合うコツです。
Q&A ベトナムの緑豆お菓子に関するよくある質問
Q1. 緑豆のお菓子はどんな味?日本の何に近い?
日本人にとって最もイメージしやすいのは、和菓子の「白あん」や「うぐいすあん(青えんどう豆のあん)」です。小豆のような皮の渋みがなく、豆特有の青臭さもほとんど感じません。クリーミーで優しい甘さなので、あんこが苦手な人でなければ、違和感なく美味しく食べられる味です。
Q2. 常温でどれくらい日持ちする?
バインダウサインのような水分量の少ないお菓子や、真空パックされたバインピアなどは、常温で数週間から数ヶ月日持ちするものが多いです。しかし、保存料を使用していない伝統的な生菓子や餅菓子は、数日しか持たない場合もあります。購入時に必ずパッケージの賞味期限を確認し、開封後は早めに食べ切るようにしましょう。
Q3. 初心者におすすめの緑豆お菓子は?
初めて食べるなら、やはり第1位の「バインダウサイン(緑豆ケーキ)」か、第3位の「緑豆月餅」がおすすめです。これらはクセが少なく、甘さと食感のバランスが良いので、日本人にも受け入れられやすい味です。まずはここから試してみて、緑豆の味に慣れてきたら、他の種類にも挑戦してみると良いでしょう。
まとめ:ベトナムのお菓子は“緑豆”から始めるとハズレが少ない
ベトナムの伝統的なお菓子は、緑豆(ムング豆)を使った優しい甘さのものが主流です。
今回ご紹介したTOP10のお菓子は、どれも現地の人々に長く愛されてきた逸品ばかり。
特に緑豆ケーキや月餅などは、日本人の口にも合いやすく、初めてのベトナムお菓子としても最適です。
最近では日本国内のアジア食材店やネット通販でも手軽に入手できるようになりました。
次のおやつの時間には、濃いめのコーヒーや熱いお茶を用意して、ベトナムの風を感じる「緑豆お菓子」を楽しんでみてはいかがでしょうか。きっとその素朴な美味しさに、心がほっと癒やされるはずです。