ベトナムケーキとは?人気の種類・特徴・どこで買えるかを解説
結論からお伝えしましょう。ベトナムにおいて「ケーキ」と呼ばれるものは、日本の洋菓子的なケーキとは全く異なります。
フワフワのスポンジの上に塩漬け卵や豚肉のでんぶがのった甘じょっぱいケーキから、サクサクのパイ菓子、緑豆を使ったお餅のようなお菓子、ココナッツやバナナの焼き菓子まで、非常に幅広いジャンルのスイーツが「ベトナムケーキ」としてひと括りにされているのです。
この記事では、「ベトナムケーキって一体何なの?」「どれが美味しいの?」「どこで買えるの?」という読者の皆さんの混乱を解きほぐし、ベトナムケーキの本当の魅力と失敗しない選び方を徹底解説します。
ベトナムケーキとは?まずは“何をケーキと呼んでいるのか”を整理
なぜ、パイやお餅までが「ケーキ」と呼ばれているのでしょうか。まずはそのカラクリから整理していきましょう。
日本の「ケーキ」とベトナムの「bánh」はかなり違う
ベトナム語には「bánh(バイン)」という言葉があります。ベトナム料理が好きな方なら、バインミー(サンドイッチ)やバインセオ(お好み焼き風クレープ)などで耳にしたことがあるかもしれません。
実はこの「bánh」という単語は、「粉を練って作ったもの全般」を指す非常に広い言葉なのです。そのため、パンも、ケーキも、クッキーも、パイも、餅菓子も、さらには麺類すらも「bánh」と呼ばれます。
これを日本語に翻訳する際、便宜上「ケーキ」と訳されることが多いため、ネットで検索すると、塩卵がのったスポンジケーキから、バインピア(パイ菓子)、バインコム(餅菓子)までがごちゃ混ぜになって表示され、日本人の私たちが混乱してしまうというわけです。
この記事で扱う「ベトナムケーキ」の範囲
そこで本記事では、あまりに広すぎる「bánh」の中から、以下の3つの条件に当てはまるものを「ベトナムケーキ」としてピックアップし、詳しく解説していきます。
- 洋菓子に近いスポンジ系のケーキ
- ベトナム独自の伝統菓子で、日本語で“ケーキ”と認識されやすいもの
- 日本人旅行者がお土産や現地スイーツとして出会いやすいもの
それでは、具体的にどんな種類があるのかを見ていきましょう。
まず押さえたい“代表的なベトナムケーキ”5タイプ
ベトナムケーキは、ランキング形式で優劣をつけるよりも「どんなタイプのお菓子なのか」で分類して知るのが一番の近道です。絶対に押さえておきたい代表的な5つのタイプをご紹介します。
1. 塩卵ケーキ(bánh bông lan trứng muối)
現在、ネット検索やSNSで最も「ケーキっぽい見た目」として認識されている代表格がこちらです。
シフォンケーキのようなフワフワで甘いスポンジの上に、塩漬けにした卵黄、とろけるチーズクリーム、そしてなんと「豚肉のでんぶ(乾燥豚肉フレーク)」がトッピングされています。
「ケーキに豚肉!?」と驚くかもしれませんが、甘いスポンジと塩気のあるトッピングが絶妙に絡み合う、甘じょっぱい系の個性派ケーキです。甘党向けというよりは、小腹が空いた時に食べる“食事系スイーツ”に近い感覚で愛されています。
2. バインピア(Bánh pía)
通販サイトで「ベトナムケーキ」と検索すると、上位にズラリと並ぶのがこのバインピアです。
何層にも重なった薄くてサクサクのパイ生地の中に、緑豆(ムング豆)の餡や、ドリアン、塩漬け卵黄などがゴロッと包まれています。イメージとしては、「中華圏の月餅と、西洋のパイ菓子の中間」のような立ち位置。ベトナム南部ソクチャン省の名物で、お茶請けとして非常に人気が高い一品です。
3. バインコム(Bánh cốm)
こちらはハノイを中心としたベトナム北部の伝統菓子です。通販サイトなどでは堂々のトップ人気として扱われることも多く、贈答用や結婚式の引き出物としても欠かせない格式高いお菓子です。
鮮やかな緑色をしていますが、これは未成熟の若いもち米(コム)の色。中にはしっとりとした緑豆餡が入っており、洋菓子というよりも完全に「和菓子」に近い感覚です。もちもちとした食感と上品な甘さが特徴です。
4. 焼きココナッツケーキ
「ココナッツクラッカー」や「ココナッツクッキー」として売られていることも多いですが、ベトナムケーキのカテゴリーにしっかり入ります。
新鮮なココナッツの果肉に砂糖やもち米粉を混ぜて、香ばしく薄焼きにしたタイプです。サクサクとした食感と、噛むほどに溢れるココナッツの甘い香りがたまりません。商品一覧でも見つけやすく、誰が食べても美味しいと感じる“お土産向きの食べやすさ”が最大の強みです。
5. 揚げバナナケーキ/バナナ系ケーキ
ベトナムの街角を歩いていると必ず出会うのが、バナナを使ったスイーツです。
潰したバナナを生地に混ぜて揚げた「揚げバナナケーキ(バインチュオイチエン)」や、ココナッツミルクと一緒に蒸し焼きにしたバナナケーキなどがあります。現地では“ケーキ”というより気軽な“おやつ(ストリートスイーツ)”の立ち位置ですが、観光情報などでは全国区の人気スイーツとして必ず紹介されるため、ベトナムケーキを語る上では外せません。
ベトナムケーキの特徴|日本のケーキと何が違う?
代表的な5タイプを見ていただいたところで、ベトナムケーキ全体に共通する「日本のケーキとの決定的な違い」を3つのポイントでまとめます。
甘いだけではなく“甘じょっぱい”
日本のケーキは「甘くてナンボ」ですが、ベトナムの味覚では「甘味+塩味+うま味」が共存するケーキが完全に成立しています。その象徴が「塩卵ケーキ」です。甘いスポンジに塩気のある卵黄や肉のうま味を足すことで、飽きのこない複雑な味わいを生み出しています。
豆・ココナッツ・ドリアンなど素材感が強い
日本のケーキが「生クリームやバターの滑らかさ」を重視するのに対し、ベトナムケーキは「餡・実・繊維感」が前に出やすいのが特徴です。バインピアの緑豆餡やドリアンの果肉感、バインコムのもち米の粒感、焼きココナッツケーキの繊維質など、南国ならではの素材の味がダイレクトに伝わってきます。
洋菓子より“伝統菓子”に近いものが多い
ベトナムケーキの多くは、日本人が想像する「ショーケースに並んだ切り分け式のホールケーキ」ではありません。常温で持ち運べる個包装の箱菓子や、屋台でバナナの葉に包まれて売られているような伝統菓子・郷土菓子が主流です。これを最初に理解しておくと、ベトナムケーキに対する解像度がグッと上がり、楽しみ方が変わります。
ベトナムケーキはまずい?おいしい?好みが分かれる理由
ネット上では「ベトナムケーキは美味しい!」という声と、「ちょっと口に合わなかった…」という声が混在しています。その理由は、使われている「素材のクセの強さ」にあります。
塩卵・ドリアン・緑豆で好みが割れやすい
実食レビュー記事などでもよく言及されますが、「塩卵ケーキ」の甘じょっぱさや肉でんぶの食感は、日本人にとってはかなりトリッキーに映ります。また、バインピアによく使われる「ドリアン」の強烈な匂いや、「緑豆(ムング豆)」特有のホクホクとした豆の風味も、食べ慣れていないと人を選ぶ傾向があります。
逆にハマりやすいのはココナッツ系・バナナ系
一方で、日本人の口に抜群に合い、一度食べると病みつきになるのが「ココナッツ系」と「バナナ系」のケーキです。素材そのものの素朴な甘さと香ばしさは、私たち日本人の味覚にもスッと馴染みます。
日本人向けのおすすめ順を提示
もしあなたがこれからベトナムケーキに挑戦するなら、以下の順序でステップアップしていくのが失敗しないコツです。
- 【初心者向け】ココナッツ系、バナナ系(絶対に外さない安心の味)
- 【中級者向け】バインコム、緑豆餡のバインピア(和菓子好きならハマる伝統の味)
- 【上級者向け】塩卵ケーキ、ドリアン入りバインピア(現地の味覚にダイブする冒険の味)
現地で買うなら何がおすすめ?シーン別の選び方
もしベトナムへ旅行に行くなら、シーンに合わせて賢くベトナムケーキを選びましょう。
スーパーで買うなら
現地の大型スーパー(Co.opmartやGO!など)に行けば、お菓子コーナーに膨大な数のベトナムケーキが並んでいます。スーパーで買うなら、職場や友人に配りやすい「個包装の箱入り菓子」がおすすめ。また、パンコーナーの近くに行けば、プラスチック容器に入った手頃な「塩卵ケーキ」も簡単に手に入ります。
お土産で買うなら
日本へ持ち帰るなら、日持ちと持ち運びやすさが最優先です。
箱に綺麗に入った「バインピア」や、サクサクの「焼きココナッツケーキ」、そしてハノイ名物の「バインコム」が定番。バインコムは賞味期限が数日と短いものが多いので、帰国する直前に買うのがポイントです。
現地で食べるなら
持って帰れないからこそ現地で味わってほしいのが、街角のベーカリーで売られている**フワフワの「塩卵ケーキ」や、屋台で揚げたての熱々を頬張る「揚げバナナケーキ」**です。出来立ての香りや食感は、現地でしか味わえない最高の贅沢です。
日本でベトナムケーキは買える?どこで探す?
「ベトナムに行く予定はないけれど、食べてみたい!」という方もご安心を。日本国内でも十分に手に入ります。
通販で探しやすい商品
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトでは、「バインピア」「バインコム」「焼きココナッツケーキ」が豊富に出品されています。特にバインピアは緑豆味やタロイモ味、ドリアン味など種類が豊富なので、お好みの味を探すのも楽しいですよ。
実店舗で探すなら
近年、日本全国に急増している「ベトナム食材店」に足を運んでみてください。お菓子コーナーには必ずと言っていいほどバインピアやココナッツケーキが並んでいます。
また、ベトナム人が経営するベトナム系ベーカリーやバインミー専門店に行けば、自家製の「塩卵ケーキ」を売っているお店も少なくありません。週末限定で作っているお店もあるので、SNS等でチェックしてみるのがおすすめです。
ネットで探すときの検索キーワード
ネットで探す際は、「ベトナムケーキ」とざっくり検索するよりも、「塩卵ケーキ」「バインピア」「バインコム」「ベトナム ココナッツクラッカー」など、具体的な名称で検索した方が、お目当ての商品に早く辿り着けます。
あなたにぴったりなのはどれ?“タイプ別”ベトナムケーキ診断
ここまで読んで、「結局どれを買えばいいの?」と迷ってしまった方へ。あなたの好みに合わせたタイプ別診断をご用意しました。
甘い物好き・万人受けを狙うなら
👉 ココナッツ系・バナナ系ケーキ
サクサクの食感や、フルーツ本来の自然な甘さが好きな方におすすめ。コーヒーや紅茶との相性も抜群で、子供から大人まで誰が食べても美味しいと感じる優等生です。
しょっぱい系スイーツ・新感覚を求めるなら
👉 塩卵ケーキ(bánh bông lan trứng muối)
「塩キャラメル」や「柿の種チョコ」のような、甘じょっぱい無限ループが好きな方に激推しです。スポンジ、塩卵、肉でんぶの不思議なマリアージュは、一度ハマると抜け出せなくなります。
伝統菓子・アジアの和菓子好きなら
👉 バインコム・バインピア(緑豆味)
大福やお饅頭など、日本の和菓子が好きな方なら絶対に美味しく食べられます。緑豆のホクホクとした優しい甘さと、もち米やパイ生地の食感に、どこか懐かしさを感じるはずです。
Q&A|ベトナムケーキのよくある疑問
Q1. ベトナムケーキで一番有名なのはどれですか?
A. 検索キーワードとして今一番注目度が高く、知名度があるのは「塩卵ケーキ」です。しかし、お土産や流通量として古くから圧倒的に有名なのは、パイ菓子の「バインピア」とハノイの餅菓子「バインコム」です。
Q2. 初めて食べるなら、何が無難ですか?
A. 失敗したくないなら「焼きココナッツケーキ(クラッカー)」か「バナナ系ケーキ」が圧倒的に無難です。次点で、和菓子感覚で食べられる「緑豆餡のバインピア」をおすすめします。
Q3. ドリアン入りのバインピアは初心者でも大丈夫ですか?
A. 正直にお伝えすると、初心者向けではありません。
ドリアン特有の匂いがしっかりと残っているため、ドリアンを食べたことがない方や、匂いの強い食べ物が苦手な方は、まずは「緑豆味」や「タロイモ味」から始めることを強くおすすめします。ドリアン耐性がついてから挑戦しても遅くはありません!
まとめ|ベトナムケーキは“洋菓子”ではなく“文化ごと食べるお菓子”
「ベトナムケーキ」と検索すると、さまざまな商品が入り乱れて表示されるため、最初は戸惑うかもしれません。しかし、今回分類したように、それぞれの正体を整理してみると、ベトナムの人々が愛する味覚の多様性が見えてきます。
- 塩卵と豚肉の甘じょっぱさがクセになる「塩卵ケーキ」
- 月餅とパイのいいとこ取り「バインピア」
- ハノイの誇り、和菓子のような「バインコム」
- 万人受け間違いなしの「焼きココナッツ・バナナ系」
ベトナムケーキは、日本のきらびやかな「洋菓子」と同じ土俵で比べるものではありません。南国の豊かなフルーツ、豆、もち米、そして塩卵などを巧みに使いこなす、「ベトナムの食文化そのものを味わうお菓子」なのです。
まずは、初心者向けのココナッツやバナナから入るも良し。和菓子好きならバインコムを選ぶも良し。勇気を出して塩卵ケーキの甘じょっぱい世界に飛び込んでみるも良し。
ぜひこの記事を参考に、あなたのお気に入りの「ベトナムケーキ」を見つけてみてくださいね!