フォー

フォーの具材でおすすめ5選!現地ベトナムからの最新情報

Pho ingredients

ベトナム現地の「いま」に合った、本当に美味しいフォーの具材を知りたいあなたへ。(参考文献:Vietnamese Pho continues to spread its international reach|Vietnam National Authority of Tourism (VNAT)

この記事では、数ある選択肢の中から、王道はもちろん、通好みの組み合わせや初めてでも失敗しないチョイスを厳選しました。

味、食感、だしとの相性、そして注文のしやすさという現地目線の基準で選び抜いたおすすめ具材5選を、今すぐ使えるベトナム語の発注フレーズと共にご紹介します。

選定基準(現地目線の4指標)

今回、数ある具材の中から5つを厳選するにあたり、私が現地で重視している4つの指標を設けました。

まず、鶏や牛の澄んだスープの旨味をさらに引き立てる「だし適合性」。次に、麺やスープとの対比が楽しい「食感のコントラスト」。

そして、屋台から食堂まで、ごく一般的に食べられているかという「現地での入手容易性」。

最後に、旅先でも臆することなく頼めるよう、的確に伝わるベトナム語があるかという「注文の再現性」です。

これらを満たすものこそ、真におすすめできる具材と言えるでしょう。

フォーおすすめ具材5選① 牛のレア薄切り〈tái〉(王道×だし映え)

フォーの王道にして、スープの真価が最もわかる具材がこの「tái」です。器に盛られた生の薄切り牛肉の上から熱々のスープを注ぐことで、絶妙なレア加減に火が通ります。赤身肉から溶け出す鉄分と旨味が澄んだ牛骨スープにじんわりと広がり、一口すするごとに深いコクを感じさせてくれます。薄切り玉ねぎの甘みや、卓上の黒胡椒を少し振ることで、全体の味が引き締まり、さらにキレが増します。
注文:「Phở bò tái.」(フォー・ボー・タイ)

フォーおすすめ具材5選② 脂の旨みブリスケット/肩バラ〈gầu / nạm〉(コク担当)

あっさりしたスープに、リッチな満足感をプラスしたい時の主役が「gầu」や「nạm」です。これらは牛の胸肉や肩バラ肉にあたり、赤身と脂身のバランスが絶妙。よく煮込まれているためホロリと柔らかく、噛むほどに上質な牛脂の甘みがスープに溶け出します。現地の食通の間では、先ほどのレア肉「tái」と、この「gầu」を半々で乗せるミックス注文が大変な人気を博しています。
注文:「Phở bò tái gầu.」(フォー・ボー・タイ・ガウ) ※nạmも同様

フォーおすすめ具材5選③ 牛すじ&ハチノス〈gân / sách〉(食感コンボ)

麺だけではない“噛む楽しさ”をフォーに求めるなら、この食感コンビが最適です。じっくり煮込まれてぷるぷるになった牛すじ「gân」と、独特のコリコリとした歯ごたえが魅力のハチノス(牛の第二胃)「sách」。一見すると淡白なスープでも、これらの具材が加わるだけで食べ応えと複雑な食感が生まれます。卓上にあるライムを絞ったり、唐辛子を少し加えたりすると、後味がさっぱりして最後まで飽きずに楽しめます。
注文:「Phở gân sách.」(フォー・ガン・サック)

フォーおすすめ具材5選④ 鶏もも&ささみ〈phở gà đùi / ức〉(軽やかヘルシー)

牛のフォーと双璧をなす鶏のフォー「Phở gà」は、その軽やかさと滋味深さが魅力です。具材の定番は、しっとりと茹でられた骨付きのもも肉「đùi」や、淡白でヘルシーなむね肉(ささみ)「ức」。鶏ガラベースの澄んだスープに、刻んだ生姜や万能ねぎの香りが溶け込み、体調が優れない時でもすっと体に染み渡るような優しさがあります。スープの透明感を保つため、鶏皮はあえて少なめにしてもらうのが、よりあっさりと楽しむための小ワザです。
注文:「Phở gà đùi」(フォー・ガー・ドゥイ)/「Phở gà ức」(フォー・ガー・ウック)

フォーおすすめ具材5選⑤ ハーブ&薬味3点盛り+もやし(香りと食感の最適解)

具材というより「完成させるための最後のピース」とも言えるのが、別皿で提供されるハーブ類です。特に南部のフォーでは欠かせません。独特の強い香りでスープの輪郭を際立たせるノコギリコリアンダー「ngò gai」、爽やかな香りのベトナムバジル「húng quế」、そしてお馴染みの香菜(パクチー)「ngò」。これらを好きなだけちぎって入れ、もやしのシャキシャキ感を加え、最後にライムを絞る。この一連の動作こそが、フォーを最高に美味しくする儀式なのです。
注文:「Cho thêm rau thơm và giá, chanh.」(チョー・テム・ラウ・トム・ヴァ・ヤー・チャン)

私の体験談:地域差メモ

ベトナムのフォーは、地域によってスタイルが異なります。

北部のハノイでは、薬味は比較的控えめで、純粋にだしの旨味で勝負する店が多く見られます。

卓上に「quẩy」と呼ばれる揚げパンが置かれ、スープに浸して食べるのも北部ならではの文化です。

対照的に、南部のホーチミンでは、山盛りのハーブともやしが別皿で提供されるのが当たり前。

ホイシンソースやチリソースで積極的に味を変えていく文化が根付いています。

中部地方(ダナンやフエ)では、香りが強く、辛味を効かせたフォーに出会うことが多いでしょう。

“味変”で失敗しない順番

フォーの楽しみは、自分好みに味を育てていく過程にあります。

失敗しないための黄金ルールは、味の強いものを後から足していくことです。

まず、何も加えずスープと麺をそのまま一口味わい、その店の基本の味を確認します。

次に、ライムを絞って全体の味に酸味の芯を通します。もし塩味が足りなければ、魚醤(ヌックマム)を数滴。そして、辛さのレイヤーとして唐辛子を加えます。

南部の店にある甘いホイシンソースは味が強いため、最後にお肉に少しだけ付けて食べるのが、スープの風味を壊さないコツです。

現地で役立つベトナム語フレーズ集

  • 量少なめ:“Phần nhỏ.”(ファン・ニョー)
  • 脂少なめ:“Ít mỡ.”(イッ・モー)
  • もやし別皿:“Giá để riêng.”(ヤー・デー・リエン)
  • 香草控えめ:“Ít rau thơm.”(イッ・ラウ・トム)
  • スープ熱々で:“Nước dùng thật nóng.”(ヌック・ユン・タッ・ノン)

よくある質問(FAQ)

Q. 初めてフォーを食べるのですが、最初の一杯におすすめは?

A. 牛なら「tái」(レア肉)、鶏なら「phở gà」(鶏フォー)が最もベーシックで失敗がありません。スープ本来の味を楽しんだ後、様々な薬味や調味料で味を変えていく楽しみ方ができるので、入門に最適です。

Q. 香草(パクチーなど)が少し苦手です…

A. 北部(ハノイ)スタイルのフォー店を選ぶのがおすすめです。南部と比べてハーブの使用が控えめな場合が多いです。注文時に「Ít rau thơm」(香草控えめ)と伝えるか、別皿で出してもらって少しずつ試してみると良いでしょう。

Q. なるべく低脂質でヘルシーに楽しむには?

A. 「phở gà ức」(鶏むね肉のフォー)を選び、「Ít mỡ」(脂少なめ)と注文するのがベストです。鶏むね肉は高タンパク・低脂質で、スープもあっさりしています。

まとめ

フォーの魅力は、だし・具材・香りの三位一体で完成する奥深さにあります。

まずは「tái」や「phở gà」でスープの骨格をじっくりと味わい、次に食感重視なら「gân・sách」、コクを求めるなら「gầu・nạm」へと世界を広げてみてください。

ベトナムへの旅先でも、そして日本の食卓でも、具材の選び方と味変の“順番”を少し覚えるだけで、フォーの満足度は格段に上がります。