ベトナム旅行のお土産や、最近日本のアジア食材店でもよく見かけるカラフルなパッケージのインスタント麺。

実はベトナムは、世界でも有数のインスタント麺消費国であることをご存知でしょうか。

日本のエースコックが現地で大きなシェアを握っていることもあり、その味わいは日本人にとっても驚くほど馴染みやすく、一度食べると病みつきになる魅力に溢れています。一袋数十円という安さながら、魚介の旨味や絶妙な酸味、そしてモチモチの麺など、そのクオリティの高さには目を見張るものがあります。

「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」という方のために、本記事では現地で不動の人気を誇り、日本でも入手しやすい5ブランドを厳選しました。

自宅にいながら手軽にベトナム気分を味わえる、魅惑のインスタント麺の世界を詳しく解説します。

ベトナムの「ラーメン」とは?インスタント麺文化の特徴

ベトナムにおけるラーメンは、日本のような生麺文化とは異なり、安価なインスタント麺が国民食として定着しています。巨大な市場背景や、エースコックをはじめとする大手メーカーの存在について詳しく解説します。

ベトナムで「ラーメン(Mì / ミー)」という言葉が使われる際、その多くは「インスタント麺(Mì ăn liền)」を指しています。日本人が想像する「こだわり抜いた生麺のラーメン店」というよりも、現地では袋麺やカップ麺が非常に安価で、生活の一部として定着した「国民食」としての側面が強いのが特徴です。

ベトナムにはフォーやブンといった生米粉麺の文化が深く根付いていますが、それと同じくらいインスタント麺市場も巨大な盛り上がりを見せています。日本の「エースコック(Acecook Vietnam)」をはじめ、「Masan」「VIFON」といった大手メーカーがしのぎを削っており、スーパーの棚を埋め尽くすほどのバラエティ豊かな商品が展開されています。

この記事で紹介する「ベトナム ラーメン」の定義

本記事では、数多あるベトナムのインスタント麺の中から、特に日本人が手に取りやすいものを厳選しています。選定基準としては、ベトナム現地での知名度が圧倒的に高いこと、日本のアジア食材店やインターネット通販で容易に入手できること、そして何より「旨味・酸味・辛味」のバランスが良く、日本人の味覚にもなじみやすいという条件を重視しました。

ベトナム ラーメンで有名なインスタント麺5選

現地で圧倒的なシェアを誇り、かつ日本人の味覚にも合いやすいブランドを厳選しました。王道から高級志向まで、それぞれの特徴やおすすめのフレーバーを紹介するので、お気に入りの一杯を見つけてみてください。

1. Hảo Hảo(ハオハオ)|ベトナムインスタント麺界の王様

エースコック・ベトナムの主力ブランドである「Hảo Hảo(ハオハオ)」は、ベトナムのインスタント麺界において不動の王様として君臨しています。代表的なフレーバーは、エビの旨味に酸味と辛味が絶妙に絡み合う「Tôm chua cay(エビ酸っぱ辛味)」や、香ばしいサテと赤玉ねぎが香る「Sa tế hành tím」などが挙げられます。このブランドの最大の特徴は、旨辛さと酸味のバランスが非常に良く、一度食べるとクセになるスープにあります。辛さが極端に強くないため、酸っぱ辛いタイ料理やエスニック料理が好きな日本人には特におすすめです。具材として卵や野菜を足すことで、より本格的なベトナム風ラーメンとして楽しむことができます。

2. Omachi(オマチ)|じゃがいも麺が特徴の“高級系ラーメン”

Masan Consumerグループが展開する「Omachi(オマチ)」は、一般的な小麦麺ではなく「じゃがいも麺(Mì khoai tây)」を使用していることが最大の特徴です。これにより、これまでのインスタント麺の常識を覆すような、ワンランク上の高級感ある味わいを実現しています。代表的なフレーバーには、コク深い「Sườn hầm ngũ quả(ポークリブシチュー風味)」や、リッチな「Lẩu tôm chua cay(エビ酸っぱ辛い鍋風味)」などがあります。スープはポークリブの旨味が効いた濃厚なものが多く、日本人になじみ深い豚骨醤油に近い満足感があります。じゃがいも麺特有のモチモチとした食感は食べ応えがあり、あっさりした麺に飽きた方にも最適です。

3. VIFON(ヴィフォン)|老舗メーカーのフォー&ラーメン

ベトナムのインスタント麺業界を長年支えてきた老舗ブランド「VIFON(ヴィフォン)」は、ラーメンタイプだけでなくフォーのインスタント化にも定評があります。特に日本人の間では、牛肉の出汁が効いた「Phở bò(牛肉フォー)」などのフォー系商品が非常に高い人気を誇っています。味の特徴としては、牛骨や鶏ガラをベースにしたあっさりとしたスープが挙げられ、和風の出汁を好む方にも受け入れられやすい繊細な味わいです。フォーだけでなくラーメンタイプの袋麺も展開されており、どれも軽やかな口当たりが魅力です。朝食や少し小腹が空いた時の夜食など、重すぎない食事を求めているシーンに最適なブランドといえるでしょう。

4. MILIKET(ミリケット)|レトロ包装が可愛い“ベトナム昭和ラーメン”

クラフト紙のような風合いの紙袋に2匹のエビが印刷された、レトロなパッケージが目を引く「MILIKET(ミリケット)」は、ベトナムで古くから愛されている老舗ブランドです。その素朴な外観から、現地の人々にとっては昔ながらの懐かしい味として親しまれています。味の構成は非常にシンプルで、オーソドックスなエビ風味のスープと細めの揚げ麺が特徴です。洗練された現代的な味とはまた異なる、どこか安心するような素朴な美味しさがあります。パッケージのデザイン性が高いため、お土産や写真映えを意識する方にも選ばれています。

5. Cung Đình(クンディン)|若者に人気の新しめ高付加価値麺

Unibenが展開する「Cung Đình(クンディン)」は、若者層を中心にシェアを拡大している、比較的新しくスタイリッシュなブランドです。高付加価値なインスタント麺を目指しており、パッケージの見た目からもそのこだわりが伝わってきます。スープには牛肉系や鍋風味といった、現代のトレンドを反映したフレーバーが揃っており、液体スープや具材の充実度によって本格的な味わいを強調しています。いつもより少しリッチなベトナムラーメンを試してみたいというニーズに応える仕上がりで、新大久保などの食材店で見かけることも増えました。

日本人がハマりやすい「ベトナム ラーメン」の味の共通点

多くの日本人がベトナムのインスタント麺にハマる理由には、明確な味の共通点があります。旨味の強さやカスタマイズのしやすさなど、初心者でも安心して挑戦できる美味しさの秘訣を紐解いていきましょう。

① うま味がしっかり、辛さは自分で調整スタイル

ベトナムのインスタント麺の多くは、ベースとなる出汁の旨味が非常にしっかりしています。魚介や肉の旨味が凝縮されており、辛さについては後入れのチリパウダーやサテ、チリソースの小袋で調整するスタイルが一般的です。そのため、辛いものが苦手な方でもスープ自体の美味しさを損なうことなく、自分好みの味に仕上げて楽しむことができます。

② エビ・ポーク・ビーフ系が中心で、日本人に馴染みやすい

使われているフレーバーは、ハオハオに代表されるエビや、オマチのポークリブ、ヴィフォンの牛肉といった、日本人にとっても馴染みのある食材が中心です。ドリアンのような個性が強すぎる香りのものは少なく、初めてチャレンジする方でも違和感なく美味しく食べられるのが大きな特徴です。日本のラーメンに慣れ親しんだ味覚でも、すんなりと受け入れられる美味しさが揃っています。

③ アレンジ前提で「具を足して完成させる」楽しみ方

ベトナムの家庭では、インスタント麺をそのまま食べるだけでなく、生卵や青菜、ネギ、お好みのハーブ、さらにはソーセージなどを足して、自分だけの特別な一杯に仕上げる文化があります。もともとのスープがしっかりとした味付けなので、具材をたっぷり入れても味がぼやけず、立派な一品料理としての満足感を得ることができます。

ベトナム現地でインスタント麺を買うには?

ベトナム旅行中、実際に商品を手に入れるための場所選びや、お土産として持ち帰る際の注意点をまとめました。現地のリアルな販売状況を知ることで、よりスムーズに買い物を楽しむことができるようになります。

スーパー・コンビニ・ローカル商店での探し方

ベトナム国内では、Co.opmartやBig C(現在はGO!)、WinMart、Lotte Martといった大手スーパーのインスタント麺コーナーに必ずと言っていいほどこれらのブランドが並んでいます。また、街のあちこちにある家族経営の小さな雑貨屋(tạp hóa)でも、箱積みされて販売されているため、滞在中はいつでもどこでも手に入れることが可能です。

お土産に買うときのポイント

袋麺は軽量で割れにくいため、バラマキ土産としては非常に優秀なアイテムです。ただし、一度に大量の箱買いを計画している場合は、帰国時の飛行機の重量制限に注意しましょう。また、肉エキスの制限などが気になる場合は、エビやカニといった海鮮系のフレーバーを中心に選ぶのが安心です。

日本で「ベトナム ラーメン」を買う方法

ベトナムまで行かなくても、日本国内でこれらの味を楽しむ方法はたくさんあります。実店舗からオンラインショップまで、効率よくお目当てのブランドを探し出すためのコツや、選び方のポイントを伝授します。

アジア食材店・ベトナム食材店

日本国内でも、東京の新大久保や各地にあるベトナム人コミュニティ周辺の食材店に行けば、ハオハオやオマチなどの主要ブランドを直接手に取ることができます。現地さながらに箱積みされた光景から、お気に入りのフレーバーを探すのも楽しみの一つです。

ネット通販(Amazon・楽天など)

近所に専門の食材店がない場合でも、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトを利用すれば簡単に購入できます。ハオハオ ベトナムやOmachi ラーメンといったキーワードで検索すると、バラ売りからお得なケース販売まで幅広く見つけることができます。

選び方のコツ

パッケージの写真がどれも美味しそうで迷ってしまう時は、まずは失敗の少ない王道から試してみるのが賢明です。具体的には、ハオハオのエビ酸っぱ辛味、オマチのポークリブ系、ヴィフォンの牛肉フォーの3種類を揃えれば、ベトナムインスタント麺の基本をバランスよく網羅できます。

日本人におすすめの食べ方・アレンジアイデア

インスタント麺をそのまま食べるだけでなく、ひと手間加えることで立派なメインディッシュへと進化します。家庭にある食材を使ったアレンジ術や、本場の屋台風の味を再現するためのコツを具体的に提案します。

具材を足して「一杯の料理」に

シンプルなインスタント麺をさらに美味しくするために、冷蔵庫にある卵やもやし、チンゲン菜、ウインナーなどを加えてボリュームアップしてみましょう。仕上げに市販のパクチーやカットしたライム、ナンプラーを数滴垂らすだけで、家庭のキッチンが一瞬にしてベトナムの活気あふれる屋台へと変わります。

汁あり/汁なしアレンジ

お湯の量を少なめにして、調味料を絡めるまぜそば風のアレンジも非常に人気があります。また、ハオハオには焼きそばタイプの商品があったり、オマチにはスパゲッティ風のソースが付属したものもあったりと、最初から汁なしとして設計された商品も充実しています。

Q&A ベトナム インスタントラーメンについて

初めて食べる際に抱きがちな疑問や不安を、一気に解消していきましょう。辛さの調整方法や子供向けの選び方、日本のラーメンとの決定的な違いなど、知っておくとより美味しく楽しめる豆知識を網羅しています。

Q1. 辛いのが苦手でも大丈夫?

ベトナムのインスタント麺の辛味は、別添えの小袋に入っていることが多いです。そのため、お湯を入れる前や食べる前にその小袋の量を調節することで、辛さを完全にコントロールできます。スープ自体の旨味はそのままに、自分にぴったりの辛さで楽しめます。

Q2. 子どもでも食べられる味は?

お子様には、辛味の少ないフレーバーや、ヴィフォンのフォーシリーズのようにやさしい出汁が効いたものがおすすめです。特にポークベースのスープは日本のラーメンに近い感覚で食べられるため、子どもたちにも親しみやすい味といえます。

Q3. 日本のラーメンとの一番の違いは?

日本のラーメンは濃厚な油と重厚な出汁のコクを追求する傾向にありますが、ベトナムの麺は米麺の軽やかさやハーブの香り、心地よい酸味を大切にしています。全体的に後味がさっぱりとしており、スープまで飲み干しやすい軽快な仕上がりなのが魅力です。

まとめ:ベトナム ラーメンは“お手軽ベトナム旅行気分”の入口

Hảo Hảo、Omachi、VIFON、Miliket、Cung Đìnhといった有名ブランドを押さえれば、ベトナムインスタント麺の王道はほぼ制覇したも同然です。

これらは日本人にとっても馴染みやすく、それでいて日常とは少し違うエスニックな驚きを与えてくれる素晴らしい食品です。

自分の好きな具材を少し足すだけで、あっという間に本格的なベトナム風の一品料理が完成します。

まずは一袋からその扉を開けてみてください。一度その美味しさを知れば、きっとあなたの家のキッチンにはベトナム麺のストックが常備されるようになるはずです。